北斎展

ただ券をもらったので、友人Nと一緒に上野の国立博物館北斎展を見に行った。
博物館に着くなり、「北斎展は1時間まちです。」との看板が立っていてびっくり。
どうせ1時間もまたないだろうと思ったらほんとに1時間以上待たされたよ。


ルーブル美術館から『モナリザ』が来たとか言うなら1時間待たされるのはわかる。話題になりそうだし、日本人そういうの好きそうだし。でもなぜ北斎展で?
待っている人が外人観光客ばっかりならそれもわかるけど、待ってるのは普通のおじさんおばさんで西欧人はちらほらと見える程度。(それでも普通の美術展よりかは多いと思う。)北斎展ってそんなに話題になってるのかな?そんなにいいのかな?と疑問に思いつつとりあえず並ぶ。


正直ただ券もらったから行っただけで、大して浮世絵に興味あるわけでもなく、期待していなかったんだけど、見てみたら面白かった!
ただし見渡す限りの人・人・人!私は絵よりも人の後頭部を見つめていたような気になったよ。でも面白かった。


事前にイトイ新聞を読んでいったせいか、楽しさも倍増。何だろう、北斎って絵が好きで好きでたまらなかったんだろうなあと思った。江戸時代なのに90歳まで生きて、死ぬ間際まで絵書きまくってるし、90歳までも名前をころころ変えて自分が築いた名声に安住しないし、画風も変えることもいとわないし、そのときに興味があった描き方・技法に熱中してる感じ。だから何歳になっても絵から「絵を描くのが好きだー」って言ってるような雰囲気が伝わってくるの。江戸時代に90歳まで生きられたのはこの貪欲なまでの描きたいという欲求と才能のおかげなのかな。死ぬときも「ああ、今日はあの絵をこういう風に描いてみよう」とか思ってたんじゃないかな。すごい執念。一生を賭けることができる「絵」にめぐり合えて、その才能を遺憾なく発揮できて幸せな人生だったんだろうな・・・と思いました。


ともかく楽しい北斎展でした。あんなに混んでいなかったらまた行きたいな。