グッバイ、レーニン!

グッバイ、レーニン! [DVD]
☆☆
あまり面白くなかった。
ストーリーのつじつまが合っていないように思えたんだけど…
ドイツに旅行した時、ドイツの人たちはすごい優しかった。道に迷って助けを求めるといつも笑顔で「YES!」って立ち止まってくれて、懇切丁寧に説明してくれた。
私はこんなに優しいドイツの人たちの間でなんでアウシュビッツみたいな悲劇が起きたのかが良くわからなかったんだけど、この映画を作り、そしてドイツでは大ヒットを飛ばしたとパッケージに書いてあるのを見ると、なんかちょっとそのわけがわかる気がした。


この映画は、ベルリンの壁崩壊の時にちょうど心臓発作で倒れてしまった母に少しでも刺激を与えたくない息子が奮闘するコメディ。
母はベルリンの影が崩壊する前は熱烈な社会主義崇拝者で、彼女が倒れている間に東ドイツは資本主義礼賛の国になってしまったことを知ってしまったら、母はショック死するはず!と思い込んだ青年がなんとか資本主義になったこの国で社会主義国であるかのように見せかけるためニュースなど生活の情報をを捏造しまくる。
まだ体調が復帰しない母は自室から動けない。広いベルリンのその母の部屋の一角だけ、昔の東ドイツのまま。
息子以外の事実を知っている人は「だまし続けるのはかわいそう」というが、息子はどんどんエスカレート。
最後につじつまがあわなくなりそうになった時に、「西ドイツが金銭至上主義である資本主義に嫌気が差して東ドイツを見習うべくベルリンの壁を壊した」というふうなニュースを捏造して、母に見せてるシーンを見たときはなんか気持ち悪かった。
彼は最後に「僕は、母のためではなく、自分のために理想の国を作り上げていた」って独白するシーンがあるんだけど、過去があるだけに笑えない。