愚か者死すべし

愚か者死すべし
☆☆☆
結構面白かった。
新宿に住む探偵が、死んだ(?)先輩のつてを頼ってきた家族に、興味本位で助けてから、ずるずると事件に巻き込まれてしまう話。
この探偵さんは地位も名誉も手に入れませんが、自分の価値観がしっかりしていて、それによって行動ができている。
この本の中で何度も「それだけのことをしたんだから、ぜひこの額の報酬をもらってください」って依頼者に言われるけど、
その度に「いえ、それでは規定の額を超えています。今その額をもらったら、次回仕事をした時に、規定の額しかもらえないのを不服に思ってしまうでしょう。だから、今回はこれだけもらって、後はお返しします」って探偵は言う。
かっこいいなあ。私だったらもらってしまうな。もらえるうちにもらっておこう、と思って。
この人は金という価値で物事を見る以外に、自分の価値観で物事を見る術を身に着けているんだろうなあ。そこが、うらやましかった。こういう大人になりたいものだ。