まぼろし

☆☆☆
フランソワ・オゾン監督の作品。
「スイミング・プール」が印象的だったので、それにも出てるシャーロット・ランプリングが
主演の作品を見てみた。

すごく悲しい悲しい映画だった。
夫婦でビーチに行き、妻が浜辺でうたたねをしているときに、夫は海で泳ぎ、誰も知らぬ間におぼれて帰らぬ人となってしまう。
夫がいなくなる瞬間を見ていない妻は、夫をなくした実感がわかず、
夫の幻をみるようになる。

妻はそんな出来事がなければ、生真面目そうな人なのに、生真面目なゆえに夫の幻想を追い求めて、
狂った行動を取り出す。
シャーロット・ランプリングが生真面目で思い込みが強い女性を好演してて、見る人に切なさを誘うよ。

最後に夫の死を認めて、妻が浜辺で泣いているとき、人影を見つけて妻は走り出す。
さて、その人は？
夫のまぼろし？人違い？それともヴァンサン？
私はヴァンサンが心配して迎えに来てくれたことを望みます。

結末が自分しだいでミステリアスなところもこの監督らしい作品だった。