ガール 奥田英朗

☆☆☆

ガール
30代に突入した女性達をヒロインにした短編集。
ガールというには年をとりすぎ、おばさんというには若い人たちが主役。
30代で結婚しておらず、確たる相手もいなくて、でも20代のように遊びまわるのには違和感を感じ始める女性達の感じる居心地の悪さと内心の葛藤、悩み、開き直りを描いていて、私も後十年ぐらいしたらこういう感じになるのかなあと恐れつつ読んだ。


私は最後の短編『ひと回り』が一番面白かったかなあ。
ひと回り年が若いイケメン新入社員の男の子の指導係になった小坂容子さんの話。
最後の『会社は楽しくていい。若者がいるし、おじさんもいる。そして自分達のように微妙な年齢の女達もー。』っていうところが
今までイケメンをめぐって年甲斐もなく年下の女性社員と火花をちらしていた小坂さんがやっと客観的に周りを見られるようになったところがほのぼのとしていた。
でもこういう新入社員はいないよな、ふつう。