ウサギ病 山田詠美

山田詠美さんは大体黒人男性と日本人女性のペアの話が多い。
これもそう。
山田さんの話を読むと、アメリカにおける人種差別の深刻さを体感できる。


去年N.Y.に行った時、二つ意外に思ったことがあった。
一つ目は、N.Y.が意外に安全だったこと。
二つ目は、アメリカはいろんな人種がいる国だってことを思い出したこと。
日本にいると、国民が同一民族であるような「幻想」を持ってしまいがちだけど、(うまくオブラードに隠されているだけにもっとひどい?)アメリカは違かった。
そして面白かったのは、化粧品売り場や洋服売り場。
日本だと、「肌が黄色くて身長160センチぐらい」の黄色人種を想定した服しか売っていないけど、
N.Y,では黒人向け、白人向け、アジア人向け、全人種向けなど雑多な服が売ってた。
特に化粧品は肌の色によって使う色が違うから、
日本人だったら絶対に使わないような色も売ってた。
そのとき、世の中にはいろんな人種がいるということを思い出した。


同一民族国家という幻想を持った国で育った女性が、違う人種を愛することでその幻想を破かれる。
そこには愛があるから二人は戦っていけるのだけれど。
この本で、「争いの原因はささいな憎しみだったのかもね」見たいなことが書いてあったけど、その通りだと思った。
その憎しみが大きくゆがめられて取り返しがつかなくなっっちゃってるんだよね。