李謳 高村薫

硬派な小説だった。☆☆☆☆


機械のことにはてんで疎いし、拳銃にもあまり興味がないけど、この小説で描かれる拳銃にときめく一彰のシーンでは、素直に機械の持つかっこよさを実感できた。すごいね。


この小説で納得いかなかったのが、李謳と一彰が不釣合いなところ。一彰は小さい頃近くに住んでいた工場をつぐ一方で、李謳はヘッジファンドで成功したり、殺し屋やったりふたりの住んでいる世界のスケールがあまりにも違いすぎて、私が一彰だったら李謳に気後れしちゃうし、李謳だったら一彰に会ってもそんなに魅力に思わないんじゃないかなあ。一緒に拳銃泥棒したっていうだけで、一生の絆というものが芽生えるものなの?男同士の友情って憧れるけど、わからないなあと思った。一彰は市居の生活を送っているけど、肝が据わっているから精神面で、李謳とつりあってるのかな?