上司は思いつきでものを言う

上司は思いつきでものを言う (集英社新書)

最後の章の第4章が面白かったかな。
でも話題になるほどではない気がする。
養老猛の『ばかの壁』の方が面白かった。


上司は思いつきでものを言うものだから、
変なことを言われた時はあきれなさいというのが大まかな結論なのかな。
まあ、いい方法なのかなあ。
角は立たないけど、相手に自分の意思を伝えることができるしね。
あきれるっていうか
「私はあなたにそんなこといわれておどろいてるんですよ」って言う意思をね。
それで上司が「そんなにばかなこと言ったのかな」って思ってくれるかは
その上司しだいだけど。


この本の表向きの結論は「あきれなさい」だけど、
本当は、民主主義とは能力主義であるって言うことが結論じゃないかな。
つまり、現代の日本は学校教育とかで「結果の平等」という幻想を
国民に抱かせがちだけど、
実は民主主義は「機会の平等」を保障するものだから、
そこから這い上がっていくのは自分の能力次第、っていうことを
言いたかったんじゃないかな。
だから、上司にばかなこと言われてへこたれているようではダメですよ、と。
ばかな上司も使いこなせる能力を身に着けなさい、と。


思うに今の日本の教育は間違ってるよね。
私が小学生の時、毎年冬休みの課題で書初めがあって、
上手い人には賞が与えられたんだけど、
やっぱり賞をもらえる人は普段習字を習っている子ばっかだった。
それがなぜか
「みんながんばってるのに、習ってる子ばっかり賞がもらえるのは
不公平だ」と問題になり、
クラスで多数決の結果賞は取りやめになったんだよね。
なんてばからしいと思ってたけど。
これこそ「結果の平等」ですね。
だって、賞もらえる子は習ってるんだから、習ってない子より
がんばって練習してるんだよ。
それをほめてあげなくて何をほめるのさ。
って思った。
今は文部科学省ゆとり教育は間違いだったって言って
教育方針を直すみたいだから、これからは変わっていくのかなあ。
私は教育も民間に任せる、
つまり官が取り仕切るだけでなくて、官が運営する学校や民が運営する学校がなど
たくさんの種類の学校があった方がいいと思う。