グランドフィナーレ 阿倍和重

グランド・フィナーレ
☆☆☆☆
ニッポニア・ニッポンは面白くなかったけど、この本はほのかに胸が温かくなりました。
何気にニッポニア・ニッポンとつながっています。
子供時代は今という時間が持つ意味が大人よりも濃密。
そのことに気づかない大人が子供に対してしてしまった過失、
その過失はもう取り返しの付かないものではあるけれど、そのことを気づかさせてくれた二人の少女との出会いと、彼女たちが持つ刹那的な時間。
その時間を失わないためにもダメダメ人間だった中年男が変わります。
最後にやっと「ああ、それでグランドフィナーレって言う題名なのね」ってわかるんだけど、わかった瞬間胸がじんわりと暖かくなりました。