青空感傷ツアー 柴崎友香

青空感傷ツアー
☆☆☆
この本を読んでると見てるだけであたりを幸せにするような美女・音生はRを思い起こさせてならなかった。
音生と芽衣の会話はさながら私とRとの会話のようだ。
じゃあ、Rって美女だったのだろうか、って思うとなんだか面白くないけど、確かにRはかわいいけど、それ以上に性格のキングっぷりが音生にそっくり。
仕事がきちんとできてると「さすがわたし」って悦に入るところとか、「私自分が大好きだもん」「甘やかされるの大好き」とか平気で言い放つところとか。
先輩が飲み会でお漬物を食べながら、「このお漬物は、大人にならないと食べれないのよ」って冗談で言ったときに、「えー、それじゃ私食べれなーい」っていうところとか。


この話は恋人に振られた音生が会社を辞めた面食いの芽衣をふりまわして、トルコに旅行に行き、四国の永井君のところに転がり込み、最後は沖縄まで行ってしまう。
貯金使い切った方が今後働く気がわくからと、貯金全部使い切り、行き当たりばったり、なんとなく気の向くまま。二人でけんかしながら旅は続く。
その気楽さがすごい楽しい。私も将来のことも何も考えずにどっかに旅立ってしまいたい。でも旅先でやっぱりなやむんだろうなあ。