蛇行する川のほとり 恩田陸

蛇行する川のほとり〈3〉
☆☆☆
好きだ、こういう小説。


蛇行する川のほとりにあった家で、むかし人が死んだ。
嵐の夜に、一人は川の上のボートで。
一人は嵐のあとの朝に近くの円形劇場で。


全校憧れの先輩・香澄と芳野に夏の合宿を誘われた鞠子。
舞い上がる鞠子にあの二人は変だと忠告をする親友・真魚子。
あの二人に近づくなという月彦。
「きみは自分に都合のいい記憶を失っている」と謎めいたことをいう美少年・暁臣。
混乱する鞠子を軸に舞台は大きく回り始める。


途中までのなぞめいた感じ、張り詰められた感じ、どんどん逃げ道がふさがれて追い詰められる感じはすっごい面白い。
…のに最後が、事件の解決のシーンがありきたりなんだよなあ。
そこが残念。途中まではすごい面白いのに。