セイジ

☆☆

あまり面白くはないんだけど、生きることってなんだろうって考えさせる話だった。

印象に残ったのは次のシーン。
『心を取り戻したリツ子ちゃんは、何もかもをその心から閉め出して一人虚空の中で生きていた、
あの頃よりも、恐らくは、更に苦しい時を、それから歩み始めたのだろうと僕は思う。しかしそれは、少なくとも、人間が本来持つべき「未来」を内包した苦しさではあるのだと、少女を見つめながら、僕達はそう思い、そしてそれを信じようと努めた。


作中に本当に賢い人は何もしないで暮らしていくんじゃないんかなあ。とか、
セイジが「百年ながらえるより、一瞬でいいから俺は生きたいと思う事があるよ」って言うシーンが生きることって何?て思わされた。
生きていくために人はご飯食べたり、寝たりしなきゃいけなくて、そのために人生の大半が費やされる。
それをしなければもっと自分の時間を生きられるのにっていう意味でセイジはこう言ったんだけど
私は最近ほんとに何のために人って生きていくんだろうって思う。

生きていくためにはお金が必要で、そのお金を稼ぐために人生の大半、自分の時間の大半を費やさなきゃいけない。
それで稼いだお金で、ほんの少し残った「自分の時間」を充実させる。
10ある時間のうち1しか自分の時間は残らないのに、その1の時間のために9の時間を使わなきゃいけない。
こんなことを考えてしまうのは今の自分の仕事がつまらないんだろうけど。
最近「暮らす」ために費やされる自分の時間の多さに呆然とする毎日です。
それより私は「生きたい」。でもどうやって?
世間の人はどうやって折り合いをつけているんだろう。