沼地のある森を抜けて 梨木香歩

☆☆☆☆
沼地のある森を抜けて

面白かった。
梨木香歩さんは、珍しく恋愛っけのない話を書くけど、
これはある一家に代々続いた糠床をめぐる話。
…糠床?
と思っていたら、いつの間にか糠床から生命の神秘にまで話が広がる壮大な話だった。
かつてひとつの細胞から生物が生まれて、進化してそれぞれの道を歩んだのと
逆の流れをこの糠床は歩んでいるのではないか。
この糠床は、生命がそれぞれ進化して行く前の
源なのでは…?
何度も繰り返して読みたい深いお話だったなあ。