県庁の星 桂望実

☆☆☆☆
県庁の星

かなり笑えた。
県庁から民間企業に出向になった県庁さん。
県庁では出世街道に順調に乗り、思考様式も役所仕様。
そんな県庁さんがスーパーに派遣されたら?

エリートである自分にスーパーの仕事はそぐわないと
ふてくされる県庁さん。
しかもそのスーパーは責任者は愛人に刺され入院、
正社員はのらりくらりとし、スーパーを実際に切り盛りしているのは
パートのおばちゃん。
お弁当売り場では賞味期限の素材を使って調理している始末。


これは許せない!
県庁さんは、「正しい素材」を使って、弁当を作ることを提案。
材料費が跳ね上がる分、高級感を出し、高価格で旧来のお弁当商品と勝負する。
買った方には賞与が月2万。

旧来お弁当チームと県庁さんチームに分かれて勝負開始。
はじめは、アジア人系の調理人たちを馬鹿にしていた県庁さん。
リーダーは俺とばかりに周りのアドバイスにも耳を傾けない。
しかし県庁さんチームは負けてばかり。
はてさて自分のどこが悪い?
あせり始めた県庁さんは、次第に周りのアドバイスにも耳を傾けるようになる。
変わり始めた県庁さん。
ついにつぶれかけたスーパーは県庁さんを中心に変わり始めた。


というサクセスストーリー。
どんな職場にいても、その職場にいることを自分の経験としていかせるかいかせないかは
その人次第。
周りは変わらない。周りを変えたかったら自分が変わるしかない。
今の職場がつまらなくて仕方がない人(=私!?)にうってつけの作品です。