葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午

結構面白かった。☆☆☆☆


保険金狙いで殺されたのではないかと自分の祖父の死を疑うお金持ちのお嬢さん。
そのお嬢さんに恋する後輩。
その後輩に以前に探偵をやっており、分室も任されていたとふいていた主人公。
後輩に誘われて保険金詐欺を調べ始めた主人公は、やがて陰に潜むあやしい団体のしっぽをつかみ・・・


最後のストーリーとは別の次元の種明かしもあって面白かった。
本って登場人物が見えなくて、自分で想像するしかないという特徴を上手く使ってる。
途中であれ?って思うところはところどころあるけど、気にせず読んでいたらまんまとだまされたよ。
かなり雰囲気は違うけど太宰治の「人間失格」の最後の文を読んだときの衝撃ににてたかな。太宰の時のほうが衝撃は大きかったけど。


サルサではいきいきとおばあちゃんの永年の恋を描いていたのに、日本だとどうしてお年寄りがいきいきと暮らすようなシーンが少ないんだろう。
前にパリに行ったことがあるけど、ヨーロッパだと、若い人は黒とか地味な色を着ている場合が多いんだけど、年をとるにつれ、服装がカラフルになるんだよ。日本と逆。
ヨーロッパはいくつになっても人生を楽しむというスタンスがあって楽しそうだなあ。